毎日の入浴で健康寿命が延びる!?高齢者にもオススメしたいおふろの効果

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温活の定番ともいえる入浴。近年の調査では、高齢者が毎日浴槽に入る習慣を持っていると、将来的な要介護認定リスクが3割近く低下する可能性が指摘されています。なぜおふろに入ることが介護予防につながるのか。このコラムでは入浴に期待できる効果をご紹介します。

入浴頻度と介護リスクの関係

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健康に良いイメージを持たれている入浴ですが、高齢者の介護予防という視点でも注目すべきエビデンスがあります。全国の高齢者約1万4,000人を対象に3年間追跡した千葉大学の調査によると、週7日(=毎日)浴槽入浴を続けている人は、週0〜2日のグループと比べて要介護認定リスクが約28〜29%低いという結果が報告されているとのこと。つまり、毎日の入浴習慣を持つことは、将来の介護状態を抑える可能性を秘めているのです。ただし、この数字はあくまで「頻度と統計的関連性」を示すもので、必ず介護を防ぐという保証を示すものではありません。また、個々の健康状態・体力・環境など多くの要因が影響します。とはいえ、こうした数値を目にすることで、入浴に対する意識が変わるのも大切なことです。

入浴がもたらす身体的な恩恵3つ

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個々の健康状態や環境が違ったとしても、入浴習慣にはさまざまなメリットが期待できます。ここでは、入浴がもたらす恩恵を3つまとめてみました。

1.血行促進と代謝改善で身体を整える

まず、わかりやすい効能が血行促進。湯に浸かって体温が上がると、血流がよくなり、筋肉や関節、末端部位にまで酸素や栄養が行き渡りやすくなります。さらに新陳代謝が活性化され、老廃物の排出もしやすくなるため、むくみや疲労感の軽減につながることも。また、ある研究では、40歳以上の男女を対象に入浴頻度と歩行能力を調べたところ、毎日入浴する人はそうでない人に比べて歩幅が広く、歩行状態も良好であったという結果が出ているそうです。歩幅は足腰の強さ・バランス能力と関係する指標のひとつ。転倒リスクの低減や、外出意欲の維持にもつながる可能性が期待できます。

2.免疫や細胞修復機能をサポート

入浴の温熱刺激は、身体の防御機構を活性化する可能性があります。具体的には、NK細胞(異物やウイルスを排除する免疫細胞)活性の向上や、ヒートショックプロテイン(HSP)の産生促進が報告されており、損傷を受けた細胞の修復を助けると考えられています。こうした作用は、炎症抑制や細胞の老化抑制にも良い影響を与えるのではないかと期待されています。

3.うつや認知症リスクの軽減

高齢者を対象に行われた縦断研究(JAGESプロジェクト)によれば、お湯に浸かって入浴する頻度が高い高齢者では、新規うつや認知症の発症率が低い傾向にあるという結果が得られています。つまり、浴槽入浴の習慣化は、認知症やうつ傾向の予防にもつながる可能性があるということ。入浴は、身体を温めて一旦交感神経を刺激し、その後の副交感神経の優位を導くことでリラックスを促します。こうした自律神経の調整が、心の安定や睡眠改善に寄与し、結果的にこうしたリスクを下げる要因になるのではと考えられます。

毎日の入浴習慣は、身体・心・脳に、さまざまな好影響が期待されています。要介護リスクの抑制、抑うつ発症の減少、認知症リスクへの予防的効果……こうした研究成果は、「おふろは健康維持の味方である」という観点に説得力を与えてくれます。もろん、すべての人に万能とは言えず、持病や体調、生活環境に合わせて調整することが第一。ですが、「今日は疲れたから、明日にしよう」と先延ばしにするより、「健康のためにも湯船に浸かろう」と思考を変えてみることが大切。その小さな一歩が、日々の積み重ねとなって未来の健康寿命を支えてくれるかもしれません。自分自身や大切な人の「長く自分らしく生きる力」を支える手段として、ぜひ「おふろ時間」を見直してみてくださいね。

  • 温まりかたや体感などには個人差があります。
  • 体感や体調にあわせて、入浴時間・ふろ設定温度・ふろ湯量を調節して、無理なくお楽しみください。

参考

Vol.42:寒い季節の入浴の効用とリスク | 医療法人 澄心会 豊橋ハートセンター

(105) 入浴の頻度が高い人ほど、歩く能力が高まることが分かった | 【公式】東京銭湯/東京都浴場組合

認知症と温泉療法

お風呂の習慣で要介護認定が3割減|千葉大学

高齢者の浴槽入浴頻度と抑うつ傾向発症との関連-JAGES縦断分析

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