冬至とゆず湯

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冬至とは?

冬至とは1年で夜が最も長く昼が短い日で、今年は2022年12月22日がその日にあたります。この日を境に昼の時間が長くなるため、運気が上昇に転じる縁起の良い日と言われています。その節目の日に行う「ゆず湯」にまつわるお話です。

「ゆず湯」に入ると風邪をひかないのはなぜか?

浴槽の中に薬草を入れて入浴することは、古くから汗疹やできものを治療することが目的で行われていましたが、次第に香りを楽しむものと変化してきました。行事や暦の節目と結び付けた薬湯の入り方は現代にも受けつがれており、その代表的な例が「しょうぶ湯」と「ゆず湯」です。「ゆず湯」は江戸時代に銭湯が客寄せのために始めたと言われています*1。湯船に「ゆず」を浮かべることで精油などが抽出され、入浴中の体温上昇効果や入浴後の保温効果に優れていることがわかっており*2、伝統的に行われてきた入浴法が、科学的に認められたことになります。また、「ゆず」の強い香りで邪気を払うことで、「風邪をひきよせない」として言い伝えられて来たのではないでしょうか。

「ゆず湯」の入れ方

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「ゆず湯」は、丸ごと湯船に入れることで新鮮な香りを味わうことができます。あるいは、ゆずの成分を抽出しやすくするために半分にカットする、輪切りにする、皮だけを入れる等の方法がありますが、その際は必ず不織布などの袋に入れてから湯船に入れましょう。種や果実などの細かな破片により、フィルターや配管などが詰まる可能性があるためです。「ゆず湯」をもっと簡単に楽しむには、入浴剤を用いることもひとつです。調査*3によると、入浴剤で最も使ってみたい香りは季節を問わず「ゆず」であり、日本人の心を癒すのに適している香りと言って良いでしょう。「バスクリン ゆずの香り」は、「ゆず」から抽出したエッセンシャルオイルを配合しているために本物感を味わうことができます。お湯にしっかり溶けるために、給湯器に対しても安心です。また、約40℃の少しぬるめの湯に10分位ゆっくりつかると、温浴効果を高めて入浴後の保温効果も高まるでしょう。

「ゆず湯」の効果

「ゆず」にはリモネンやビタミンCなどが含まれており、血行促進作用、美肌作用、リラックス作用が期待されます。入浴剤に最も求められる機能はリラックスである*3ことから、ゆずの香りの効果を確認してみました*4。

試験概要
安静に保った後に計算問題を行い、精神的な負荷を与えます。その後、ゆずの香りの入浴剤を用い41℃の湯に5分間の全身浴を行いました。対照はさら湯です。測定は、安静時、計算中、入浴中、入浴後の脳波測定から快適度を導きました。

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精神負荷を科されてイライラ(快適性が低下)状態の被験者は、さら湯に入浴することで気分を取り戻しました(快適度回復)。「ゆず」の香りの入浴剤を使用すると、入浴前よりも快適度は高まり入浴後まで続いていることがわかりました。

「冬至冬中冬始め」と言うように厳しい寒さはこれからです。体が冷えると血管収縮により疲労や肩こりなどの症状も現れます。冬至という節目の日に「ゆず湯」にゆっくりつかり、体の芯まで温めながら気分を清め、気分転換しながらバスタイムを楽しんでください。

石澤太市

コラム記事監修

株式会社バスクリン つくば研究所フェロー

博士(薬学)石澤太市さん

*1:日本の伝統的薬湯と香り.Aromatopia.2002.

*2:伝統的入浴法に対する科学的検討.日本温泉気候物理医学会.2010.

*3:株式会社バスクリン バスライフ実態調査2020.

*4:株式会社バスクリン ホームページ 学会リリース

  https://www.bathclin.co.jp/rd/news/2007/0319_728/

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